K's Gallery

Music

音楽

このページでは私のお薦めするアルバムを適当に紹介しています
(けっこう古いのもあったりします)
Dance Upon A Time
松岡直也
Dance Upon A Time
WARNER MUSIC WPCL-678 (1992)

これは松岡直也が久しぶりに大編成のバンドで制作したアルバムです。松岡直也の初期の頃のアルバムの多くは大編成のバンドを率いて制作されていて、1977年から1981年の間、"松岡直也 & His All Stars"名義で2枚、"松岡直也 & Wesing"名義で6枚のアルバムをリリースしていますが、1982年以降は松岡直也の単独名義になり、参加メンバーは比較的少人数で、シンセサイザーなども多用したスタイルへと変わってきていました。私個人的には音楽はゴージャスなものが好きなので、ちょっとさびしいとか思っていました。ところが1992年に発表されたこのアルバムでは久しぶりに大編成のバンドで制作されているのが非常に嬉しいです。スタイルとしてはWesingのようなパワフルなものとは少し違い、古いジャズのビッグバンドのような艶っぽさがあります。

アルバムに収められている曲は、自身の曲のリメイクが3曲とカバーが3曲、これら6曲はいずれも大編成バンドによる録音で、他に新曲が4曲これらは少人数の録音ですがボーカルを入れて華やかにしていたりします。リメイク曲では例えば1987年のアルバム"日曜島へ"に収録されている"Lady in the Shade"は、私はこの1987年のものを聴いたとき、このシンセサイザーのブラスとストリングスを生のブラスとストリングスでやったらいいだろうなあとか思ったのが、まさにこのアルバムでやってくれていました。またカバー曲では"You've Got It Bad Girl"これはQuincy Jonesのバージョンを意識してアレンジされていますが、Quincyに負けず劣らずゴージャスになっているのがすごいです。

ところで何故こんな30年も前のアルバムをレビューしているのかと言うと、当時私は松岡直也を聴かなくなっていたのですが、最近になって初めて聴いてみたらそのクオリティの高さに驚き、聴いていなかったことにちょっと後悔しているのでした。

Jun 30, 2022

SIGNATURE
Patrice Rushen
Signature
DISCOVERY 77065 (1997)

なんと、パトリース・ラッシェンが新しいアルバムを出したのです。
これは今までみたいに彼女のボーカルをフューチャーしたものではなく、全曲アコースティックピアノを前面に出したもので、そういうのは彼女のソロアルバムとしては20年前のデビューアルバム以来になります。それにしても、ピアノが本当にきれいで感動ものです。
中にシャーデーの"The sweetest taboo"をカバーしているものがあるのですが、ファンキーなコーラスを入れたアレンジが秀逸で、いかにもパトリースらしい仕上がりになってます。(そういえばハービー・ハンコックもシャーデーやってたな)

DISCOVERY RECORDSのパトリース・ラッシェンのページにアルバムの紹介やリアルオーディオのサンプルなどがあります。暇があったらぜひ聴いてみましょう。

Jul 21, 1997

THE WHITE GOBLIN
高中正義
虹伝説Ⅱ THE WHITE GOBLIN
東芝EMI TOCT-9890 (1997.6.25)

これは81年に発表されて話題になった「虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS」の続編となるアルバムです。虹伝説というのは、ウル・デ・リコという画家による非常にビビッドな絵柄の絵本で、その1枚1枚の絵に対して曲をつけていったというものです。そういうコンセプトでアルバムを作るミュージシャンというのは、他にはいないでしょう。

高中正義というと、なんとなくただのトロピカルな明るい曲を演奏するギタリスト、という程度にしか一般では認識されていませんが、例えば彼が76年に初めて"SEYCHELLS"というギターのインストルメンタル中心のアルバムを製作したとき、あの頃はまだクロスオーバーなんていう言葉が言われ始めた頃で、フュージョンというような音楽ジャンルはまだ認識されていませんでした。ギターのインストルメンタルだけでアルバムを作るにはどうしたらよいか、というところから始まった彼のアルバム製作の姿勢は、ギタリストとしてよりもプロデューサーとして注目に値するものでした。また細野晴臣などと共に、ポップミュージックにおけるプロデューサーの重要性について主張している人でもありました。私の個人的な思いとしては、その方面での活躍を期待していたのですが、でもそうはならなかったようです。(なぜか今の日本では、小室哲哉みたいなのが認められてしまっているというのが悲しい)

それはともかく、ここ10年くらいの間に彼は10枚近くのアルバムを製作しているのですが、どれも最近つまらないなあ、と嘆いていたのですが、こいつはちょっといいですよ。久しぶりに高中らしい、情景の浮かんでくるような音楽です。小原礼のベースも渋くてかっこいいです。

東芝EMIの高中正義のページJ-Waveの高中正義の紹介ページにアルバムの紹介や各種情報があります。

Jul 5, 1997

miss.G
具島直子
miss. G
東芝EMI TOCT-9459 (1996.6.5)

なんと具島直子のオフィシャルサイトGushima Netというのができてました。すごいですねえ。シングル"Candy"のサンプルがReal AudioやShockwaveなどで提供されています。暇な人は行って聴いてみましょう。
この人は、クールで大人っぽい曲と、ストレートで甘い声がとても魅力です。
東芝EMIのアーティスト情報のページも改装して情報が豊富になっていました。

Jun 15, 1997

Harajuku Live
ORQUESTA DEL SOL
"LEGEND" Vol.2 Harajuku Live
UNOCD-002 (1997)

デル・ソルのCDは何枚か持っているのですが、何故かどれもウーンいまいちつまらないぜ!と思ってしまうのです。それは何故か?それは、デル・ソルは、なんといってもライブがめちゃくちゃ楽しいからなのでした。そりゃ、どんなバンドでも、ライブのほうが絶対いいに決まってます。ましてや、雰囲気が物を言うラテンにおいては全然違って当然なのです。ところが、このアルバムはちょっと違うぞ!だってライブアルバムなんだから。これは1982年に、原宿のクロコダイル(どっちかというと、そこは渋谷だと思うんだけどなあ?)で行われたもので、ライブハウスの雰囲気が伝わってきて、すごく楽しいです。このアルバム、もうとっくに廃盤になっていて、手に入らなくて残念だったのですが、なぜか最近復刻されて、大喜び感謝感激なのでした。
ただ、これはインディーズCDみたいなものなので、どのCDショップにも置いているわけではないみたいです。オルケスタ・デル・ソルのホームページに販売店のリストがあります。多分、サルサのコーナーに並んでいるはずです。

Jun 9, 1997

miracle
Puff Johnson
miracle
WORK OK 53022 (1996)

このアルバム買ったのはもう1年くらい前になりますが、すごく気に入っていて毎日のように(と言うと大袈裟)聴いていましたが、全然飽きないです。スローからミディアムの曲を集めてますが、何と言うか、すごく優しくて丁寧できれいな曲ばかりです。
これ、もっと売れるかと思ったのですが、日本では全然売れませんでした。地味だから仕方ないのでしょうか。ジャケットの写真もあまりかわいくないし。でも外見に騙されてはいけないのです。
SONY MUSICのARTIST INFOのページに、Puff Johnsonに関する各種情報やサンプルオーディオなどがあります。

Apr 30, 1997

Love Is A Wonderful Thing
Fatima Rainey
Love Is A Wonderful Thing
wea 0630-17382-2 (1997)

こいつは何者ぞ!男か女か?(女だと思うけど)
1ヶ月ほど前からですが、J-Waveから聞こえてくる、このバイタルなスキャットで始まるタイトル曲、耳にこびり付いて離れなかったのですが、先日横浜の某CDショップでかかっていたので、DJブースのおねえさんに「これ何?」って聞いたら「これだよ」って教えてくれたのがこのアルバム。この怪しいジャケット写真からして一発ものかと思いきや、いやいや全然そんなことない、すごくかっこよくて音楽性も高いものでした。声の質や歌い方がIncogniteのボーカルMaysa Leakに似てます。これはけっこうおすすめ。

Apr 26, 1997

The New Standard
Herbie Hancock
The New Standard
Verve 527 715-2 (1996)

タイトル通りのアルバムで、ポップスの曲をジャズにして演奏してます。例えばStevie WonderとかSimon and Garfunkelとか。中でも一番気に入ったのがSadeの"Love is Stronger Than Pride"。この誘うようなイントロから始まってぐんぐん盛り上げていくアレンジが秀逸です。Sadeのオリジナルは、私はあまり印象に残った曲ではなかったのですが、オリジナルの幻想的な雰囲気とはまた全然違ってて面白いです。

Apr 26, 1997

Shapes and Patterns
Swing Out Sister
Shapes and Patterns
Mercury PHCR-1495 (1997)

安心してお薦めできるSwing Out Sisterの新譜です。本国UKではまだ発売になってないらしくて、こういう日本先行発売みたいなのって、なんだかちょっと恥ずかしい感じします。数年前なら、UKものは輸入版の到着が遅いから、まだかまだかと待ち焦がれたものですが、その逆ってなんだか変だなあ。
それはともかく、今回のはちょっと初々しいです。もうちょっとアクがあってもいいような。
Welcome to the Swing Out Sister Jazz Cafeはこちら。

Apr 13, 1997

Kool & the Gang Spin Their Top Hits
Kool & the Gang
Spin Their Top Hits
Mercury 822 536-2 (1978)

大昔に大ヒットしたディスコ映画「サタデーナイトフィーバー」の中で、このアルバムの一曲目"Open Sesame"が使われていました。ドラの音と共に始まるアラビア音階みたいなコーラスの超アヤしいイントロは、一度聴いたら虜になってしまいます。
このアルバムは、Kool & the Gangの初期の曲を集めたベスト版ですが、その後に彼らがヒットさせた"Celebration"みたいなおしゃれな曲とかより、こういう元気いっぱいのファンクのほうが全然いいです。
そしてアルバム最後の曲"Summer Madness"の、湿ってけだるい暑い夏の夜の感じ、たまらないです。

Apr 13, 1997

By Heart
Brenda K. Starr
By Heart
epic ek 46231 (1991)

Brenda K. Starrというと、"I Still Believe"というバラードが有名ですが(私はどっちかというと、サンディ・ラムによるカバー"依然"のほうが色っぽくて好き)このアルバムはそれが入ってるのでなくて、それに続く2枚目のです。
この人の声はまるでコロコロと鳴る鈴のようで、シュープリームス時代のダイアナ・ロスみたいです。ダンスナンバーよりも、そういうアイドル声で歌うスローの曲のほうが、変ってて個性を感じます。
バラードもこの人の場合、いかにも感情込めてます、みたいな歌い方はせず、いたってクールなのですが、聴いてるとなぜかぐっときてしてしまうところが奥深いです。

Apr 09, 1997

Pizzazz
Patrice Rushen
Pizzazz
elektra AMCY-2129 (1979)

今日HMV(というCDショップ)へ行ったら、なんとパトリース・ラッシェンの初期のアルバムが4枚、一挙に発売になっていてびっくりしてしまいました。このアルバム"Pizzazz"は、私が高校生のときNHK-FMでこれの特集をしたのをたまたまダビングしていて、それがきっかけでブラック・ミュージックを聴くようになったという、そういう一枚でした。初期のアルバムの中でも特にこれは彼女の独特の黒人ノリが堪能できます。
もちろん今回のは、最近彼女の曲が非常に多くサンプリングされていることから、サンプリング・ソースを聴いてみたいという人のために発売されたのだと思うけど、そんなマニアックな形で紹介されてしまったのは、ちょっと複雑な気分にさせます。でもこれを機会にファンが増えるといいですね。私としても、もうLP盤の傷を気にせず聴けるのはうれしい限りです。

Apr 02, 1997

Kaleidoscope World
Swing Out Sister
Kaleidoscope World
FONTANA 838 293-2 (1989)

Swing Out Sister というと、なぜか私はフランスの田舎道を夜中に車で走っている光景を思い浮かべてしまうのです。どうしてなのかは自分でも謎。
彼ら自身は例えばモータウンなどの黒人の音楽に興味があるらしいことは聴いていればわかるのですが、それでも必ずにじみ出てしまうヨーロッパ臭さみたいなものが、好きだったりします。
Welcome to the Swing Out Sister Jazz Cafeへどうぞ。

Mar 30, 1997

RISQUE
CHIC
RISQUE
MMG AMCY-118 (1979)

CHIC、ご存知でしょうか?去年のナイル・ロジャースの来日で初めて知ったとか、いやそれも気が付かなかったとか?というのも、私にとっては、もうこんな最高に素晴らしいグループはないと思っているのですが、周りの誰に聞いても「そんなの知らん」と言われてしまうので、いつも悲しい思いをしてるのです。
それはともかく、このアルバム、ずいぶん昔のですけど、まだ子供だった私が憧れるのに十分な大人っぽさで、上品で粋、まさにシックそのものでした。
CHICといえば「おしゃれフリーク」などのダンスものが有名ですが、それはたまたまあの時代がディスコブームだったからで、本当のCHICはこのアルバムの"A Warm Summer Night"や"Will You Cry(When You Hear This Song)"などの渋いスローナンバーにあるのだ、と私は断言するのです。(あと、アルバム"Real People"の"I Loved You More"もね)
セピアがかったモノクロのジャケットもかっこいいでしょ?

Mar 28, 1997

earth and heaven
repercussions
EARTH AND HEAVEN
WARNER BROS. 9 45644-2 (1995)

ドラムの Genji Siraisi という人、日本人だと思うけど、すごいシャープなドラムを叩く人で気に入ってしまいました。よく動くベースもかっこいいし、リードボーカルの渋い声も私の好みだったりします。これはなかなかお薦め。

Mar 03, 1997

黄韻玲的黄韻玲
黄韻玲 Kay Huang
黄韻玲的黄韻玲
KINGS' KD0008 (1994)

台湾の人です。この人自身はあまり歌はうまくないのですが、曲を書くセンスがものすごく良いです。どちらかと言うと叙情的な曲が多いのですが、ラテンやジャズやソウルの要素を上手に取り入れていて、すごくかっこいいです。
他のミュージシャン、例えば林憶蓮や吉娜などにも曲を提供したりしています。
私はこのアルバムでファンになってしまったのですが、去年日本のロック・レコードから彼女の昔のアルバムが一挙に発売になったので、渋谷のタワーレコードにあった数枚を、つい買い占めてしまいました。

Feb 24, 1997

wildflower
林憶蓮 Sandy Lam
野花 Wildflower
WARNER WMC5-495 (1991)

6曲目「再生戀」での二胡(中国のバイオリンみたいな楽器)の演奏がかっこいいです。
このアルバムに限らず、香港のミュージシャンは二胡、古筝、笛子などの中国の伝統的な楽器をポップミュージックの中に取り入れるのがとても上手です。
The Unofficial Home Page of Sandy Lamへどうぞ。

Feb 19, 1997

i wanna love somebody
Angela Bofill
I Wanna Love Somebody
JIVE 01241-41510-2 (1993)

この写真、最初ジャケット見たとき、悪役女子プロレスラーかと思ってしまいました。アンジェラ・ボフィルはこういう顔の人ですけど、本当はとても優しくセンチな歌手です。
外見に騙されてはいけません。

Feb 19, 1997

groove theory
groove theory
groove theory
epic EK 57421 (1995)

これがデビューアルバムですが、すごいかっこいいです。
可憐で繊細で、そのくせ乾いたボーカルが気持ちいいのです。
私は最近いつもこれを聞きながら絵を描いてます。
Sony MusicのArtist Infoのページに詳しい情報があります。

Feb 7, 1997

Q's JOOK JOINT
Quincy Jones
Q's JOOK JOINT
QWEST/WARNER BROS. 9 45875-2 (1995)

これはクインシーが過去に手がけた作品を自らリメイクしたものを集めています。例えばBrandyが歌う"Rock With You"(あのマイケルの曲ね)とか、そういうのです。
どの曲も大変素晴らしいのですが、私は中では、"Moody's Mood For Love"が特に気に入って、思わず練習してしまったほど(笑)。かの有名なGeorge Bensonのバージョン(アルバム"Give Me the Night")と聴き比べると面白いです。女声パート部分は、Benson版でのPatti Austinの濃くてウエットなボーカルも好きですが、こちらはクールでまたかっこいいです。Take 6のアカペラも良いのです。
また、"Stuff Like That"では、Chaka Khanが15年前のオリジナルで歌ったパートを今回も再び歌っていて、これも聴き比べなんかすると楽しいです。
それから、このアルバムでの最大の収穫は、新人Tamiaでしょう。Mica Parisも歌った"You Put a Move on My Heart"、まだ若いのにすごく深いボーカルで素晴らしいです。
ライナーノーツには、60人以上にも及ぶこのアルバムの参加ミュージシャン(それも超有名人ばかり!)の全員の顔のイラストが載っていて(Nate Giorgioという人が描いているらしい)それがなかなか楽しいです。
Q's Jook Jointのページはこちらです。

Jan 19, 1997