K's Gallery

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音楽

このページでは私のお薦めするアルバムを適当に紹介しています
(けっこう古いのもあったりします)
愛をあるだけ、すべて
KIRINJI
愛をあるだけ、すべて
Universal Music UCCJ-2156 (2018)

KIRINJIは、私は2000年に「エイリアンズ」が話題になった頃にこれは新しいポップスだなと思って少し聴いていましたが、それから私はずっと日本にいなかったので、その後どうなったのか注目していませんでしたが、去年の10月に上海でテレビを見ていたところ、NHK WORLDのtiny desk concerts JAPANにKIRINJIが出演したので、わあ懐かしいなあとか思って観たのですが、しかしKIRINJIがこんな事になっていたとは全然知りませんでした。KIRINJIは、それまでメインボーカルだった弟が脱退し、その後は兄中心で6人編成のバンド体制になり、現在は兄のソロプロジェクトとして活動しています。以前はメインでなかった兄がなかなか良いボーカルをしていて、昔のKIRINJIの雰囲気は残しつつも音楽性がとても豊かになっていることに驚きました。このアルバムはバンド体制だった頃の2018年にリリースされたもので、それぞれの曲のスタイルはバラエティに富んでいて、ギターの弓木英梨乃がリードボーカルを取る曲や、ベースの千ヶ崎学がリードボーカルの曲、Charisma.comのラップをフューチャーした曲など色々ですが、どの曲も聴いていてとても心地良く楽しいのです。アレンジ面ではコーラスの使い方が上手で、またアルペジオみたいなバッキングのパターンをよく使っていてこれが心地良いです。聴いていて楽しいのは多分、ちょっとオジサン向けに作っている感じがするからかもしれませんが。

Feb 11, 2025

Unsung Heroes
The Crusaders
Unsung Heroes
Blue Thumb Records BTS 6007 (1973)

私はクルセイダーズのアルバムは大抵聴いているのですが、このアルバムは聴いたことが無く、もう50年も前のアルバムですが最近になって初めて聴きました。聴いてみるとこのアルバムは1970年代のクルセイダーズのアルバムの中ではやや異色な感じがします。クルセイダーズの曲というのはどちらかと言うと、ゆったりと揺れるようなリズムの心地よい曲が多いのですが、このアルバムの曲の多くは、緊張感が高くタイトなリズムでかなりロックしているのです。特にブリブリ鳴らして動きの有るベースがその雰囲気を出しています。このクルセイダーズというグループの特徴のひとつはベースの固定メンバーがいないことで、スタジオのレコーディングではサックスのWilton Felderがベースを弾くか、あるいは外からゲストとしてベースプレイヤーを呼んだりしていますが、このアルバムではMax Bennettというベースプレイヤーが参加しています。

なおアルバムタイトルの"Unsung Heroes"は「無名の英雄」という意味の決まり文句ですが、クルセイダーズは1979年のアルバム"Street Life"まではボーカルを全く使わないでいたことから、彼らを「歌わないヒーロー」と呼ぶという意味が含まれるとのこと。

Dec 11, 2024

SOZO
Hanah Spring
SOZO
P-Vine PCD-18905 (2023)

日本のソウルR&B系ミュージシャンとしては私が最も気に入っている人です。前作から5年ぶりのアルバムになりますが、2014年の"Handmade Soul"や2018年の"Dreamin'"ではジャズ的な要素が多かったのに対し、今作ではヒップホップやレゲエなどの要素も加わり、また曲ごとに異なるゲストボーカリストやプロデューサーを招いたりするなど多彩な曲作りをしています。Hanah Springの良いところは、どのアルバムでもそうですが、楽曲も声も皆暖かくて優しいことです。あまり情感を表に出さず尖ってたりもしないので、それが却って聴く人の心を動かすように思います。またこの人は多分90年代頃の音楽が好きそうなことがなんとなくわかりますが、しかしアルバム2曲目の"Thank U 4 The Heartbreak"なんかは70年代ソウルみたいなタイトな曲で結構良いです。

Jan 25, 2024

Dance Upon A Time
松岡直也
Dance Upon A Time
WARNER MUSIC WPCL-678 (1992)

これは松岡直也が久しぶりに大編成のバンドで制作したアルバムです。松岡直也の初期の頃のアルバムの多くは大編成のバンドを率いて制作されていて、1977年から1981年の間、"松岡直也 & His All Stars"名義で2枚、"松岡直也 & Wesing"名義で6枚のアルバムをリリースしていますが、1982年以降は松岡直也の単独名義になり、参加メンバーは比較的少人数で、シンセサイザーなども多用したスタイルへと変わってきていました。私個人的には音楽はゴージャスなものが好きなので、ちょっとさびしいとか思っていました。ところが1992年に発表されたこのアルバムでは久しぶりに大編成のバンドで制作されているのが非常に嬉しいです。スタイルとしてはWesingのようなパワフルなものとは少し違い、古いジャズのビッグバンドのような艶っぽさがあります。

アルバムに収められている曲は、自身の曲のリメイクが3曲とカバーが3曲、これら6曲はいずれも大編成バンドによる録音で、他に新曲が4曲これらは少人数の録音ですがボーカルを入れて華やかにしていたりします。リメイク曲では例えば1987年のアルバム"日曜島へ"に収録されている"Lady in the Shade"は、私はこの1987年のものを聴いたとき、このシンセサイザーのブラスとストリングスを生のブラスとストリングスでやったらいいだろうなあとか思ったのが、まさにこのアルバムでやってくれていました。またカバー曲では"You've Got It Bad Girl"これはQuincy Jonesのバージョンを意識してアレンジされていますが、Quincyに負けず劣らずゴージャスになっているのがすごいです。

ところで何故こんな30年も前のアルバムをレビューしているのかと言うと、当時私は松岡直也を聴かなくなっていたのですが、最近になって初めて聴いてみたらそのクオリティの高さに驚き、聴いていなかったことにちょっと後悔しているのでした。

Jun 30, 2022

Dear Shunza
順子 Shunza
Dear Shunza
EMI百代 ED11012 7243 537965 2 5 (2002)

このアルバムの一番の目玉は、何と言っても4曲目の「And I know」。これ、なんとエルバ・シャオ(蕭亞軒)と二人で歌っております。この台湾ポップス界最強の女二人による競演はもう最高です。実はこの曲、エルバ・シャオのアルバム『4U』でも二人で歌っていて、こちらのバージョンではアレンジが違ってクラブミックス風だったりするので、聴き比べると面白いです。

このアルバムでは、Shunza自身が全曲プロデュースをして、曲も自分で9曲を書いてますが、しかしなんかアレンジが妙に懐かしくて、例えば10曲目「Fly Away」など、まるで85年頃のシェレールみたいだし、6曲目「Happy」なんか、もう完全に70年代ファンクのノリで、ラリー・グラハムみたいなペタペタのスラップベースがイカしてます。この辺の音楽が実は私の一番の好みだったりして、それでこのアルバム妙に気に入ってます。と言っても、そんなブラコンばりばりみたいなアルバムではなくて、例えば台湾のアイドルTVドラマ「藍星」のちょっと感動的な主題歌とか、メグ・ライアン主演の『ニューヨークの恋人』の台湾での主題歌とか、色々入ってます。しかし、どの曲も、アレンジが妙に懐かしいのは一緒。

ところで、私はShunzaの歌を聴くと、いつも何故か胸に妙な感動が湧き上がってきてしまうのですが、このアルバムを買った時も、西門町のCDショップで店内にこのアルバムの曲がかかって、それを聞いたとたん、急に胸がググッとなってきて、「今すぐこのアルバムを買わなくてはいかん!」と心の中で叫んで、店内に残っていた最後の1枚を掴むと、そのまま憑かれたようにレジに向かっていたのだった。Shunzaのアルバムを買うときはいつもこう。

Apr 7, 2002

靜電 HEE LECTRONIC
許美靜 Mavis Hee
靜電 HEE LECTRONIC
上華 WCD 222OK1 (2000)

このアルバムは去年の3月に買ったので、もう一年近くも聴いているのに、今頃になって「うーん、これはいい」とか思い始めているという、そういう噛めば噛むほど味の出るアルバムでした。

このアルバムのイメージは、この「靜電」というタイトルと、このジャケットデザインが語るまさにそのままです。何と言うか、アナクロSFのような冷たくキッチュなイメージ。カラフルな電線が張り巡らされた水の中に静電気が飛び交っているような(いや、それは物理学的にはおかしい話だが)そんな感じ。そしてこれが実に何とも格好良い。この格好良さは、メイヴィス・シュウでないと絶対出来ないと思う。

このアルバムが出たときは、ファンの間でも賛否両論があったと聞きますが、確かに今までのメイヴィス・シュウが持っていた切なく可憐なイメージからすると、かなり変な感じです。しかし何度も聴いているうちに段々好きになってしまい、全然飽きが来ないのは、やはり中身がしっかりしているからだと思う。変な事やっているように見えて、実は一曲一曲を非常に丁寧に、お金と時間をかけて作っているような感じがします。特にアレンジの懲り様は只者ではなく、中でもMartin Tanがアレンジしている2曲目、4曲目、6曲目、9曲目が特にいいです。

また、曲のメロディーが美しいものも多く、中でもDick Leeによる3曲目、謝銘祐の書いた7曲目(いずれもスローな三拍子の曲)などがすごくいいです。この3曲目の「多事之秋」という曲、私がこの前横浜市内の某ラーメン屋にいるときに店内でこの曲を別の人が歌っているのが流れていて、誰なのか解らなかったんですが、もしかしたら誰かの有名な曲のカバーなのかもしれない。

Jan 21, 2001

Bored
Tanya Chua
Bored
YELLOW MUSIC 547786-2 (1999)

シンガポールの期待の新人、Tanyaの早くも2枚目のアルバムです。

と言うか、実はこっちのほうがデビューアルバムで、1997年にシンガポールで発売されたものです。台湾向けのアルバムは全曲中国語でしたが、これは全曲英語です。台湾ではこれに中文訳詞を付けて売ってます。
曲はカバー2曲を除いて、全曲Tanya自身が詩と曲を書いていて、そのうち4曲は台湾向けのアルバムに収録されているものと同じ曲(こちらが原曲)でした。

軽快で透明感のあるボーカルは相変わらずですが、台湾向けのアルバムではストレートで人畜無害だったのが、こちらはちょっと有害です。危ないです。このアルバムのほうが、Tanya自身のオリジナルの形で作っているためか、より個性が出ているようです。

Tanyaの音楽がどういうものかを説明するのは簡単ではないですが、このアルバムではジョニ・ミッチェルのカバーなどもしていて、そういう60~70年代のアメリカのポップスの影響を受けている気がします。(他にもキャロル・キングとか、リッキー・リー・ジョーンズとか、カーペンターズとか、色々入っている)

また、アルバムのどの曲もアレンジが私は好きで、特にギターとベースがいい、と思ったら、アレンジは全部ギタリストのAdam Leeという人とベーシストのJoshua Wanという人がしていました。で、このJoshua Wanは、ベースの他にキーボード、ピアノ、それにミキシングまで手がけるというすごい人。(余談だが、ベースとキーボードを兼ねる人というのは意外と多い)

Jul 14, 1999

快樂無罪
許美靜 Mavis Hee
快樂無罪
上華 WCD2197 (1999)

許美靜から受けるイメージというのは、清楚で可憐で、明るい曲を歌っていても何処か陰が有って、なんとなく70年頃の日本のポップスにあったような(例えば太田裕美とか、そういうの。)なんだかすごく懐かしい感じがします。

このアルバムも、どの曲も少し切なくて懐かしいようなイメージの曲ばかりです。曲のアレンジはアルバム中の3曲を屠穎という人、9曲を吳慶隆という人が担当してますが、この屠穎は、王菲の「天空」というアルバムのアレンジもほとんど担当している人で、この「天空」もそういう切なくて懐かしい雰囲気でした。(ちなみに、これは王菲のアルバムの中では異色の作ではありますが、王菲ファンの中にはこのアルバムを一番好きな代表作に挙げる人も多いようです。)

ところで許美靜も、先月紹介した蔡健雅(Tanya)と同じシンガポールの人で、他にも吉娜(Gina)とか、私の気に入る歌手はシンガポールの人が何だか多いみたいです。彼らに共通するのは、清潔感とか純情さとか、シンガポールとはそういう所なのだろうか。行ったことないから分からないけど。

ところで許美靜は、とてもいい顔してます。いい顔と言っても、特に美人だとかそいうことではなくて、この人は口が大きくてエラが張っていて前歯が出ていて、こういう顔の人は絶対に歌が上手くて声がきれいなのです。

May 10, 1999

Tanya
蔡健雅 Tanya Chua
Tanya
Polydor 547 118-2 (1999)

中華ポップス界で今最も注目の新人はこの人。(と勝手に私が思っているだけ)
この人については、詳しい事はよく解らないのですが、どうやらシンガポール出身で、かつてパブで歌手をしていた経歴があるようです。
アルバムタイトルの"Tanya"はこの人の名前で、英語では Tanya Chua という表記を使っています。

この人の歌は本当に清々しく爽やかで軽快。と言っても決して軽いという訳では無く、むしろ例えば Bonnie Pink みたいな渋いアンニュイさも持っているのですが、しかし何と言うか、いわゆる「クサミ」が全然無いのです。(「クサミ」というのは、つまり中華歌謡臭さとか、ソウル臭さとか、ブルース臭さとか、そういうの。決して否定的な意味ではないです。)
曲のスタイルとしては、アコースティックギターとか、ハーモニカなんかも取り入れた、日本やアメリカ白人のフォークロック(?)みたいな感じなのですが、しかしそれらに有り勝ちな演歌臭さ(日本の場合)やカントリー臭さ(アメリカ白人の場合)が全然無いので(実は私はそれらがあまり好きではないから)、聴いていてすごく気持ちいいのです。
ただそういう、嫌いな人には嫌い、と言わせるような強い個性が少ないので、多分予想としては、この人はそんなにビッグアーティストには成らないだろうと思う。

このアルバムを聴いていて特に好きなのが、コーラスがきれいなこと。コーラスは Tanya 自身が声を重ねて入れていますが、アレンジのセンスがいいので、たまにちょこっと入るコーラスがすごく格好良いです。
アルバムの曲のほとんどは、Tanya 自身が曲を書き、詞を娃娃、林夕などの台湾ポップス界の代表的な作家が担当しています。

Apr 10, 1999

OPEN UP
順子 Shunza
OPEN UP
魔岩唱片 MSD-049-4 (1999)

最近テレビで放映しているネスカフェのCF「オープンアップ」のバックに流れている曲、これを日本では五島良子さんが歌っていますが、台湾のネスカフェのCFでは、同じ曲をShunzaが歌っています。これは、その曲をタイトルに持って来たアルバムです。
これは2枚組み、というより、2枚のアルバムのセットのような形になっていて、1枚目がカバー曲だけを10曲集めたアルバム"OPEN YOUR MIND"、2枚目は過去の曲から選んだ6曲入りミニベストアルバム"OPEN YOUR HEART"というような作りになっています。

Shunzaは北京で生まれ、子供の頃にアメリカに移住したため、アメリカの音楽の影響を強く受けて育ったと言っています。その彼女自身が影響を受けたという、70~90年代のヒット曲のカバーを集め、全曲英語で歌ったのが、1枚目のアルバムです。
しかし、カバーだけでアルバムを作ってしまおうなんて、よほど歌に自信が無いと出来ることではありません。たった一言、私の歌を聴いてくれ、とだけ言っているようなものです。確かにその通り、本当に素晴らしいボーカルなのです。
私はこのアルバムを台北のCDショップで聴いたのですが、感動のあまり涙が出そうになってしまい(とは大げさだが)、「これを買うぞ!」と、ちょっと興奮気味でレジに向かってしまった。

収録曲の中では、例えば1曲目 Cicago の "If you Leave Me Now"、2曲目 Melissa Manchester の "Don't Cry Out Loud"、10曲目 Stephen Bishop の "It Might Be You" なんかが特に良いです。

Mar 30, 1999

SIGNATURE
Patrice Rushen
Signature
DISCOVERY 77065 (1997)

なんと、パトリース・ラッシェンが新しいアルバムを出したのです。
これは今までみたいに彼女のボーカルをフューチャーしたものではなく、全曲アコースティックピアノを前面に出したもので、そういうのは彼女のソロアルバムとしては20年前のデビューアルバム以来になります。それにしても、ピアノが本当にきれいで感動ものです。
中にシャーデーの"The sweetest taboo"をカバーしているものがあるのですが、ファンキーなコーラスを入れたアレンジが秀逸で、いかにもパトリースらしい仕上がりになってます。(そういえばハービー・ハンコックもシャーデーやってたな)

DISCOVERY RECORDSのパトリース・ラッシェンのページにアルバムの紹介やリアルオーディオのサンプルなどがあります。暇があったらぜひ聴いてみましょう。

Jul 21, 1997

THE WHITE GOBLIN
高中正義
虹伝説Ⅱ THE WHITE GOBLIN
東芝EMI TOCT-9890 (1997.6.25)

これは81年に発表されて話題になった「虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS」の続編となるアルバムです。虹伝説というのは、ウル・デ・リコという画家による非常にビビッドな絵柄の絵本で、その1枚1枚の絵に対して曲をつけていったというものです。そういうコンセプトでアルバムを作るミュージシャンというのは、他にはいないでしょう。

高中正義というと、なんとなくただのトロピカルな明るい曲を演奏するギタリスト、という程度にしか一般では認識されていませんが、例えば彼が76年に初めて"SEYCHELLS"というギターのインストルメンタル中心のアルバムを製作したとき、あの頃はまだクロスオーバーなんていう言葉が言われ始めた頃で、フュージョンというような音楽ジャンルはまだ認識されていませんでした。ギターのインストルメンタルだけでアルバムを作るにはどうしたらよいか、というところから始まった彼のアルバム製作の姿勢は、ギタリストとしてよりもプロデューサーとして注目に値するものでした。また細野晴臣などと共に、ポップミュージックにおけるプロデューサーの重要性について主張している人でもありました。私の個人的な思いとしては、その方面での活躍を期待していたのですが、でもそうはならなかったようです。(なぜか今の日本では、小室哲哉みたいなのが認められてしまっているというのが悲しい)

それはともかく、ここ10年くらいの間に彼は10枚近くのアルバムを製作しているのですが、どれも最近つまらないなあ、と嘆いていたのですが、こいつはちょっといいですよ。久しぶりに高中らしい、情景の浮かんでくるような音楽です。小原礼のベースも渋くてかっこいいです。

東芝EMIの高中正義のページJ-Waveの高中正義の紹介ページにアルバムの紹介や各種情報があります。

Jul 5, 1997

miss.G
具島直子
miss. G
東芝EMI TOCT-9459 (1996.6.5)

なんと具島直子のオフィシャルサイトGushima Netというのができてました。すごいですねえ。シングル"Candy"のサンプルがReal AudioやShockwaveなどで提供されています。暇な人は行って聴いてみましょう。
この人は、クールで大人っぽい曲と、ストレートで甘い声がとても魅力です。
東芝EMIのアーティスト情報のページも改装して情報が豊富になっていました。

Jun 15, 1997

Harajuku Live
ORQUESTA DEL SOL
"LEGEND" Vol.2 Harajuku Live
UNOCD-002 (1997)

デル・ソルのCDは何枚か持っているのですが、何故かどれもウーンいまいちつまらないぜ!と思ってしまうのです。それは何故か?それは、デル・ソルは、なんといってもライブがめちゃくちゃ楽しいからなのでした。そりゃ、どんなバンドでも、ライブのほうが絶対いいに決まってます。ましてや、雰囲気が物を言うラテンにおいては全然違って当然なのです。ところが、このアルバムはちょっと違うぞ!だってライブアルバムなんだから。これは1982年に、原宿のクロコダイル(どっちかというと、そこは渋谷だと思うんだけどなあ?)で行われたもので、ライブハウスの雰囲気が伝わってきて、すごく楽しいです。このアルバム、もうとっくに廃盤になっていて、手に入らなくて残念だったのですが、なぜか最近復刻されて、大喜び感謝感激なのでした。
ただ、これはインディーズCDみたいなものなので、どのCDショップにも置いているわけではないみたいです。オルケスタ・デル・ソルのホームページに販売店のリストがあります。多分、サルサのコーナーに並んでいるはずです。

Jun 9, 1997

miracle
Puff Johnson
miracle
WORK OK 53022 (1996)

このアルバム買ったのはもう1年くらい前になりますが、すごく気に入っていて毎日のように(と言うと大袈裟)聴いていましたが、全然飽きないです。スローからミディアムの曲を集めてますが、何と言うか、すごく優しくて丁寧できれいな曲ばかりです。
これ、もっと売れるかと思ったのですが、日本では全然売れませんでした。地味だから仕方ないのでしょうか。ジャケットの写真もあまりかわいくないし。でも外見に騙されてはいけないのです。
SONY MUSICのARTIST INFOのページに、Puff Johnsonに関する各種情報やサンプルオーディオなどがあります。

Apr 30, 1997

Love Is A Wonderful Thing
Fatima Rainey
Love Is A Wonderful Thing
wea 0630-17382-2 (1997)

こいつは何者ぞ!男か女か?(女だと思うけど)
1ヶ月ほど前からですが、J-Waveから聞こえてくる、このバイタルなスキャットで始まるタイトル曲、耳にこびり付いて離れなかったのですが、先日横浜の某CDショップでかかっていたので、DJブースのおねえさんに「これ何?」って聞いたら「これだよ」って教えてくれたのがこのアルバム。この怪しいジャケット写真からして一発ものかと思いきや、いやいや全然そんなことない、すごくかっこよくて音楽性も高いものでした。声の質や歌い方がIncogniteのボーカルMaysa Leakに似てます。これはけっこうおすすめ。

Apr 26, 1997

The New Standard
Herbie Hancock
The New Standard
Verve 527 715-2 (1996)

タイトル通りのアルバムで、ポップスの曲をジャズにして演奏してます。例えばStevie WonderとかSimon and Garfunkelとか。中でも一番気に入ったのがSadeの"Love is Stronger Than Pride"。この誘うようなイントロから始まってぐんぐん盛り上げていくアレンジが秀逸です。Sadeのオリジナルは、私はあまり印象に残った曲ではなかったのですが、オリジナルの幻想的な雰囲気とはまた全然違ってて面白いです。

Apr 26, 1997

Shapes and Patterns
Swing Out Sister
Shapes and Patterns
Mercury PHCR-1495 (1997)

安心してお薦めできるSwing Out Sisterの新譜です。本国UKではまだ発売になってないらしくて、こういう日本先行発売みたいなのって、なんだかちょっと恥ずかしい感じします。数年前なら、UKものは輸入版の到着が遅いから、まだかまだかと待ち焦がれたものですが、その逆ってなんだか変だなあ。
それはともかく、今回のはちょっと初々しいです。もうちょっとアクがあってもいいような。
Welcome to the Swing Out Sister Jazz Cafeはこちら。

Apr 13, 1997

Kool & the Gang Spin Their Top Hits
Kool & the Gang
Spin Their Top Hits
Mercury 822 536-2 (1978)

大昔に大ヒットしたディスコ映画「サタデーナイトフィーバー」の中で、このアルバムの一曲目"Open Sesame"が使われていました。ドラの音と共に始まるアラビア音階みたいなコーラスの超アヤしいイントロは、一度聴いたら虜になってしまいます。
このアルバムは、Kool & the Gangの初期の曲を集めたベスト版ですが、その後に彼らがヒットさせた"Celebration"みたいなおしゃれな曲とかより、こういう元気いっぱいのファンクのほうが全然いいです。
そしてアルバム最後の曲"Summer Madness"の、湿ってけだるい暑い夏の夜の感じ、たまらないです。

Apr 13, 1997

By Heart
Brenda K. Starr
By Heart
epic ek 46231 (1991)

Brenda K. Starrというと、"I Still Believe"というバラードが有名ですが(私はどっちかというと、サンディ・ラムによるカバー"依然"のほうが色っぽくて好き)このアルバムはそれが入ってるのでなくて、それに続く2枚目のです。
この人の声はまるでコロコロと鳴る鈴のようで、シュープリームス時代のダイアナ・ロスみたいです。ダンスナンバーよりも、そういうアイドル声で歌うスローの曲のほうが、変ってて個性を感じます。
バラードもこの人の場合、いかにも感情込めてます、みたいな歌い方はせず、いたってクールなのですが、聴いてるとなぜかぐっときてしてしまうところが奥深いです。

Apr 09, 1997

Pizzazz
Patrice Rushen
Pizzazz
elektra AMCY-2129 (1979)

今日HMV(というCDショップ)へ行ったら、なんとパトリース・ラッシェンの初期のアルバムが4枚、一挙に発売になっていてびっくりしてしまいました。このアルバム"Pizzazz"は、私が高校生のときNHK-FMでこれの特集をしたのをたまたまダビングしていて、それがきっかけでブラック・ミュージックを聴くようになったという、そういう一枚でした。初期のアルバムの中でも特にこれは彼女の独特の黒人ノリが堪能できます。
もちろん今回のは、最近彼女の曲が非常に多くサンプリングされていることから、サンプリング・ソースを聴いてみたいという人のために発売されたのだと思うけど、そんなマニアックな形で紹介されてしまったのは、ちょっと複雑な気分にさせます。でもこれを機会にファンが増えるといいですね。私としても、もうLP盤の傷を気にせず聴けるのはうれしい限りです。

Apr 02, 1997

Kaleidoscope World
Swing Out Sister
Kaleidoscope World
FONTANA 838 293-2 (1989)

Swing Out Sister というと、なぜか私はフランスの田舎道を夜中に車で走っている光景を思い浮かべてしまうのです。どうしてなのかは自分でも謎。
彼ら自身は例えばモータウンなどの黒人の音楽に興味があるらしいことは聴いていればわかるのですが、それでも必ずにじみ出てしまうヨーロッパ臭さみたいなものが、好きだったりします。
Welcome to the Swing Out Sister Jazz Cafeへどうぞ。

Mar 30, 1997

RISQUE
CHIC
RISQUE
MMG AMCY-118 (1979)

CHIC、ご存知でしょうか?去年のナイル・ロジャースの来日で初めて知ったとか、いやそれも気が付かなかったとか?というのも、私にとっては、もうこんな最高に素晴らしいグループはないと思っているのですが、周りの誰に聞いても「そんなの知らん」と言われてしまうので、いつも悲しい思いをしてるのです。
それはともかく、このアルバム、ずいぶん昔のですけど、まだ子供だった私が憧れるのに十分な大人っぽさで、上品で粋、まさにシックそのものでした。
CHICといえば「おしゃれフリーク」などのダンスものが有名ですが、それはたまたまあの時代がディスコブームだったからで、本当のCHICはこのアルバムの"A Warm Summer Night"や"Will You Cry(When You Hear This Song)"などの渋いスローナンバーにあるのだ、と私は断言するのです。(あと、アルバム"Real People"の"I Loved You More"もね)
セピアがかったモノクロのジャケットもかっこいいでしょ?

Mar 28, 1997

earth and heaven
repercussions
EARTH AND HEAVEN
WARNER BROS. 9 45644-2 (1995)

ドラムの Genji Siraisi という人、日本人だと思うけど、すごいシャープなドラムを叩く人で気に入ってしまいました。よく動くベースもかっこいいし、リードボーカルの渋い声も私の好みだったりします。これはなかなかお薦め。

Mar 03, 1997

黄韻玲的黄韻玲
黄韻玲 Kay Huang
黄韻玲的黄韻玲
KINGS' KD0008 (1994)

台湾の人です。この人自身はあまり歌はうまくないのですが、曲を書くセンスがものすごく良いです。どちらかと言うと叙情的な曲が多いのですが、ラテンやジャズやソウルの要素を上手に取り入れていて、すごくかっこいいです。
他のミュージシャン、例えば林憶蓮や吉娜などにも曲を提供したりしています。
私はこのアルバムでファンになってしまったのですが、去年日本のロック・レコードから彼女の昔のアルバムが一挙に発売になったので、渋谷のタワーレコードにあった数枚を、つい買い占めてしまいました。

Feb 24, 1997

wildflower
林憶蓮 Sandy Lam
野花 Wildflower
WARNER WMC5-495 (1991)

6曲目「再生戀」での二胡(中国のバイオリンみたいな楽器)の演奏がかっこいいです。
このアルバムに限らず、香港のミュージシャンは二胡、古筝、笛子などの中国の伝統的な楽器をポップミュージックの中に取り入れるのがとても上手です。
The Unofficial Home Page of Sandy Lamへどうぞ。

Feb 19, 1997

i wanna love somebody
Angela Bofill
I Wanna Love Somebody
JIVE 01241-41510-2 (1993)

この写真、最初ジャケット見たとき、悪役女子プロレスラーかと思ってしまいました。アンジェラ・ボフィルはこういう顔の人ですけど、本当はとても優しくセンチな歌手です。
外見に騙されてはいけません。

Feb 19, 1997

groove theory
groove theory
groove theory
epic EK 57421 (1995)

これがデビューアルバムですが、すごいかっこいいです。
可憐で繊細で、そのくせ乾いたボーカルが気持ちいいのです。
私は最近いつもこれを聞きながら絵を描いてます。
Sony MusicのArtist Infoのページに詳しい情報があります。

Feb 7, 1997

Q's JOOK JOINT
Quincy Jones
Q's JOOK JOINT
QWEST/WARNER BROS. 9 45875-2 (1995)

これはクインシーが過去に手がけた作品を自らリメイクしたものを集めています。例えばBrandyが歌う"Rock With You"(あのマイケルの曲ね)とか、そういうのです。
どの曲も大変素晴らしいのですが、私は中では、"Moody's Mood For Love"が特に気に入って、思わず練習してしまったほど(笑)。かの有名なGeorge Bensonのバージョン(アルバム"Give Me the Night")と聴き比べると面白いです。女声パート部分は、Benson版でのPatti Austinの濃くてウエットなボーカルも好きですが、こちらはクールでまたかっこいいです。Take 6のアカペラも良いのです。
また、"Stuff Like That"では、Chaka Khanが15年前のオリジナルで歌ったパートを今回も再び歌っていて、これも聴き比べなんかすると楽しいです。
それから、このアルバムでの最大の収穫は、新人Tamiaでしょう。Mica Parisも歌った"You Put a Move on My Heart"、まだ若いのにすごく深いボーカルで素晴らしいです。
ライナーノーツには、60人以上にも及ぶこのアルバムの参加ミュージシャン(それも超有名人ばかり!)の全員の顔のイラストが載っていて(Nate Giorgioという人が描いているらしい)それがなかなか楽しいです。
Q's Jook Jointのページはこちらです。

Jan 19, 1997