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Painting Steps - Example 2: Painting in 256-color mode

製作過程 例2 256色で描く

これはかなり珍しい例かと思います。
この絵はIBM-PCの256色モードで製作されていますが、256色のパレット上で、絵の要素に合わせて色をいくつかのグループに分けることによって、遠景、近景、人物など、それぞれの色の調子を別々に整えるということをしています。この絵では、遠くへ行くほど色の彩度を落としていくことによって、雪景色の遠近感を出そうとしました。
使用ソフト:自作のペイントソフト(MS-DOS版)

yip02.gif
palette この絵の256色パレットです。色の並びは左上から下に向かって順番に並んでいます。左上角が0、左下角が15、右下角が255です。

絵の要素は次の4つに分かれています。パレットを操作し、各要素の色だけを残してそれ以外の色を消してみると次のようになります。

人物
(色番号 0-63)
0-63
palette
建物以外の近景
(色番号 64-95)
64-95
palette
建物
色番号 96-111
96-111
palette
遠景
色番号 112-127
112-127
palette

通常日本で使われているグラフィックモードは、PC98シリーズの16色モードか、そうでなければMac,X68,TOWNSなどの32000色以上がほとんどで、直接256色モードでディジタルペインティングを行っている人は非常に少ないのではないかと思います。(ただし米国などのIBM-PCの世界では、256色のディジタルアートもけっこう見かけます。)
16色で絵を描く場合と、フルカラー(32000色~1670万色)で絵を描く場合とでは、方法論が全く違いますが、では256色ではどうなのだろう?というのがこの例です。
16色の場合と同じように、あらかじめ必要な色をパレット上に作ります。16色の場合と違い、中間色を出すのにタイルパターンを用いる必要はありません。

また、16色、256色などのインデックスカラー画像の面白いところは、パレットの色を操作することで、自由に色が変えられることです。この女性の来ている着物の色なども、えんじにしてみたり鶯色にしてみたり、いろいろ遊べます。

yip02_edit17.gif 着物の色(色番号 17)をえんじ色に変更した例